Lazuli

らずり

「デフレ化するセックス」を読んだ

デフレ化するセックス (宝島社新書)

デフレ化するセックス (宝島社新書)

こういう類の話は興味があって時々読む。
タイトルのとおり風俗、AVなどの性産業で価格暴落が起きていて、そこを突っ込んでいく話。フェミニストの方々は激怒する内容しかないので読まないほうが良いと思う。
性産業の価格が下がっていることには様々な理由があるわけだが、大きく分けるとネットの普及、経済の低迷、規制の強化あたりかな。
ネット普及による影響というのはめちゃくちゃでかい。ちょろっと検索掛けるだけで女性の裸などすぐ見れる。事実上無法地帯だから俺が子供の頃なんかよりずっと簡単にAVが見れるし、そういったコンテンツに困ることがない。むしろありふれすぎている。その結果起きるのがセックスのカジュアル化というやつで、ネットの普及とともに女性の裸の価値がどんどん下がっていった。一昔前まではお金に困っていたりなど相当な理由がない限りAVや風俗に手を出す人はいなかったが、今になると数え切れないほどの女性がAVや風俗に手を出している。カジュアル化によってセックスの敷居が下がり、興味があるとかちょっとした小遣いが欲しいなどの理由でAVに出演するケースが増えてきている。そういう人たちは自分が出演したAV映像が後世にずっと残るというところまで思慮が及んでいない場合も多く、これもネットの普及による意識の変化だと言われている。また、AVや風俗に手を出す女性が増えていることで売り手市場だった業界が買い手市場となっている。そうすると体を売って得られる金銭も減る。大金を稼げる女性がほんの一握りになっていき、段々と容姿端麗でスタイルも良く高学歴という女性が市場で好まれるようになっていった。ヒエラルキーの完成だ。そうなると本来、貧困で最後の手段として体を売っていた層にお金が回らなくなっていく。本の中では具体的な数字が出ているが 80 ~ 90 年代が全盛期として 00 年代からはおよそ 1/6 程度のお金しか得られなくなっている。平均的な容姿、学歴であったとしたら普通に正社員として働いたほうが給料は良い。その上、後ろめたい気持ちになることもない。しかしそれでは借金を返すことなど到底かなわない…という悲惨な状況が書かれている。
そういった感じで性産業の現状が淡々と述べられているわけだが、買い手側のいかれた人間や、この人この先どうするんだ…というような女性もいくらか出てきて現実離れした話も多い。この本に書かれていることが本当かどうか微妙だという面もあって眉唾で読むものだとは思う。
こういう世界があることを知ったところで俺が何か出来るわけではないし、出来ることといえば xvideos ばかり見ていてはいかんということくらいだ。行き着くのは社会システムの不条理というかそういうところになっていくのかね。